結婚・出産で会社を辞める女性がまだ多かった時代に、「長く仕事を続けたい」という思いを胸にキャリアをスタートさせた丹野さん。大手企業や海外の企業、購買調達やグローバル人材育成と幅広く経験を重ねる一方、大学院で学んでMBAを取得するなど、落ち着いた物腰の奥に豊かなパワーとモチベーションを秘めています。コロナ禍を機にベトナムから帰国、そしてGlobal WingをきっかけにつながりのあったGLに入社しました。IPOに向けた内部統制や人事制度の確立などを牽引する人材として期待を集めている丹野さん。豊富なキャリアを踏まえGLをどのように捉えているか、また今後に向けて何に意欲を抱いているかを、神田社長と語り合いました。男女雇用機会均等法施行から数年、「女性も長く働ける」環境を求めてNTTデータへ神田社長(以下、神田):初めに、GLに入社するまでの経歴を聞かせてください。丹野:大学では社会学部で学び、卒業後の1990年、新卒採用でNTTデータに入社しました。男女雇用機会均等法が施行されてから数年の時期で、女性が長く働け、福利厚生制度が整った企業はまだ数が少なかったです。商社で働くの叔母の姿を見て、「女性も経済的に自立することで、人生をより充実させられる」と感じ、自分もそうありたいと考えていました。当時、NTTデータはNTTから分社したばかりで、ベンチャーのような活気に満ちていました。NTTデータでは購買部門に長く籍を置き、大型案件の調達などの業務に携わりました。その傍ら、3回の育児休職を取得しました。子どもを預けて復職しようとしたところ保育園に落ちたことをきっかけに、社内託児所設立のワーキンググループにも参加し、保育士資格を取得するに至りました。2009年に社内公募に応募してグローバル部門に異動し、海外企業との交流を促進するにあたって幹部向けに海外研修のプログラムをつくったり、若手人材をトレーニーとして海外に派遣する業務を担当しました。そして2013年からはR&D部門に在籍し、海外拠点における新人研修や、国内外でのインターンシップなどの業務を担当しました。またこの頃、MBA取得を目指して大学院に進学。志の高い仲間たちから多くの刺激を受ける中で、「自分も海外で働きたい」という想いが次第に強くなっていきました。神田:実は丹野さんは、2017年にも当社の中途採用にご応募いただいていますよね。当社が提供しているサービスのGlobal Wingに関心を持たれたとのことでした。しかし、「海外で働きたい」という明確な想いをお持ちだったので、まずはGlobal Wingへの参加をおすすめしたんです。NTTデータ勤務の傍ら、Global Wingに参加。海外で働く面白さに目覚め、ベトナム生活をスタート丹野:自分ではまったく想定していなかった展開でしたが、神田社長からお話をいただいて「その方法があったか」と目から鱗が落ちる思いでした。当時、NTTデータには有給休暇を積み立てられる制度があって40日分が貯まっていたため、それを利用してGlobal Wingに参加することとし、ベトナムのホーチミンに渡航することにしました。神田:ベトナムでは当社のビジネスをサポートしていただくこともあり、私たちもとても助けていただきました。その頃、丹野さんが「もうベトナムに住んでもいいくらい、この国が気に入った」とおっしゃっていたことを今でもよく覚えていますよ。丹野:結果的に、休暇終了後もホーチミンに留まり、NTTデータを退職しました。その後、現地で東南アジアの人材をグローバル企業につなぐHRエージェント企業のJapan Vietnam Jobsで約1年働き、政治の中心地であるハノイで仕事をしたいと考えて日系商社に転職しました。そこでは、ベトナムを訪れる日本の政府関係者の対応や、日系商社におけるCSR活動などを担当しました。ハノイにはもっと長く滞在するつもりでしたが、コロナ禍で自分自身が濃厚接触者となってしまい、やむなく退職し帰国することになりました。帰国後は再びNTTデータに復職し、R&D部門に所属してグローバルCTOが集まる技術会合の事務局運営などに携わり、2023年まで仕事をしました。神田:その後、ベンチャー企業に在籍されていましたが、「ぜひ一緒に仕事をしてほしい」と当社から熱心にアプローチし、入社していただきました。改めて、入社を決められた理由を教えていただけますか?丹野:GLとは2017年にGlobal Wingに参加して以来のつながりですが、特に経営者である神田さんのお人柄に魅力を感じたんです。お会いするたび、器が大きくなっている印象があります。会社の雰囲気も良いですね。これまでのキャリアの中では、常に売上げを意識してピリピリした雰囲気の企業もありましたが、GLの社員はみな前向きなやる気があって「みんなで頑張っていこう」という気持ちに自然となれる環境です。こうした文化に惹かれ、「この会社で働きたい」と思い、入社を決意しました。GLに入社し、決裁のスピード感や、使いやすさに配慮した各種ツールにカルチャーショックを受ける神田:勤務先もキャリアも非常にバラエティ豊かで、お話を伺っていると刺激を受け、興味が尽きません。丹野さんは現在、当社でどのような業務を担当されているのでしょうか。丹野:法務全般を担当し、契約書類のチェックや弁護士・社会保険労務士との折衝などを行っています。特に契約書については、現在紙媒体となっているものを電子化していきたいと考えています。また、IPOに向けた内部統制関連業務も担当させていただいています。神田:今、就労規則や社内規程の確立といったことにも携わっていただいていますよね。当社での業務を経験して、どのような感想をお持ちですか?丹野:意思決定のスピード感に驚いています。大手企業に在籍していたときは、決裁までに何層もの工程があって時間がかかっていましたが、GLではすぐに決裁が下ります。このスピード感が、各種業務を担当している身としては本当にありがたいですね。また、Salesforceなど、使いやすいツールを採用していると感じます。前職では自社開発のシステムを使っていたこともあり、複雑さが業務の滞りになる場面もありました。神田:決裁のスピード感は大切にしています。また、新しいツールを積極的に活用し、業務効率の向上を図っていきたいとも考えています。当社に入社して、何か学ばれたことはありますか?丹野:大手企業では担当領域が細分化されていることが多く、業務全体を俯瞰する機会が限られていました。一方GLでは、法務全体に関わることができ、業務の全体像を把握しながら進められる点に大きなやりがいを感じています。一方で、SaaSリーガルテックを活用することで、業務も早くスムーズに進めることができています。アグレッシブな若手社員や、多彩なバックグラウンドを持つ社員の方から刺激を受けることも多いですね。神田:丹野さんは様々な企業での業務を経験されていますが、そのうえで、当社の特徴はどのような点だと感じていらっしゃるでしょうか。丹野:若手社員が活躍されていることが大きな特徴だと思います。管理職のポジションも積極的に任され、責任を持つことで成長していく様子が目に見えてわかります。また、社員の国籍が欧米アジアと実に多彩で、日本にいながら各国の価値観を学べることが素晴らしいですね。神田さんと社員との距離が近く、経営視点に触れられることも良いと思います。神田:そうですね、そのあたりは……正直、距離が近すぎるくらいかもしれません(笑)。豊富な経験とキャリアを活かし、社員が長く心地良く仕事ができる環境を確立することに意欲を抱く神田:今後、当社でどのようなことに挑戦してみたいと考えていらっしゃるでしょうか。丹野:まず、現在担当している法務について、組織体制の強化に注力していきたいと考えています。また、福利厚生といった制度もこれからどんどん充実させていきたいのですが、特に今後様々なライフイベントが予想される若手人材を支える制度を設けていきたいですね。自分自身、前職のNTTデータで福利厚生制度が整っており、仕事と出産・育児を両立するうえで本当に助けられました。整備された制度があることは、社員が長期的に安心して働ける環境づくりに直結すると実感しています。神田:本当におっしゃる通りで、ライフイベントによってキャリアが分断されることのないような環境づくりは、私たちにとっても大きなテーマです。また、自社社員だけでなくそのパートナーについても、ライフイベントを迎えても仕事を続けられる環境をつくっていくスタンスが重要だと考えています。女性メンバーが結婚・出産しても仕事ができる、リモートワークできる体制を整えるなどで男性メンバーのパートナーも同様に仕事を続けられる、そういう会社にしていきたいです。私自身は自営業を営む家庭の子どもでしたが、家族のサポートがあり、共働きではあったけれど自分が病気をしたときも親は仕事を続けることができました。子どもが病気をしたときなどもサポートが受けられる、そういう環境を多くの社員に提供したいと考えています。丹野:子どもは頻繁に風邪を引いたりするので、そういう体制が確立しているとありがたいですね。ちなみに私は保育士資格も持っていますので、いつか何かの形で活かせる場面があれば嬉しいです。神田:今後のキャリアについて、どのようなイメージを描いていらっしゃいますか?。丹野:これまでの経験を活かし、グローバル領域やダイバーシティ推進といったテーマを軸にキャリアを築いていきたいです。家族に障がい者がいることから、障がい者支援も経験できたらと考えています。神田:現在、当社も積極的に障がい者雇用を行っています。現時点での社員数における障がい者雇用率が3.5%で、今後もどんどん増やし、障がい者の方が活躍できる機会をつくっていきたいです。また、企業規模の拡大とともに、Global Wingといったサービスや人事制度設計、法務などの領域にさらにメンバーが必要になります。丹野さんにはこれらの領域でマネジメントも担いながら活躍していただきたいと期待しています。最後に、当社への入社を考えている方にメッセージをお願いします。丹野:「Digital」と「Diversity」の2つのDXを掲げておられるように、幅広い年齢層の社員や、国籍も様々で多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍しているユニークな組織です。この企業規模でこれだけ多彩な人材に出会い、ともに仕事ができ切磋琢磨できるところはなかなかないと、これまでの経験からも感じています。ある程度属性が似通っておりコンフォートゾーンから抜けられない社員が多い大企業とは異なり、挑戦心豊かな社員も多いです。特に若手社員に対してはどんどん新しいことにトライする機会が用意され、その挑戦を支える経験豊富なメンバーも多く、安心してトライできる土壌が整っているのも大きな特長です。「仕事にワクワク感を持って取り組みたい」という方にフィットする環境であり、そんな方が仲間になってくれると会社もより盛り上がるのではないかと思います。神田:丹野さんは経験豊富で、挑戦心もお持ちの方です。いつも新鮮な気持ちで仕事に向き合ってもらえるよう、こちらも環境を整えていきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。