多様性を大切にするGLナビゲーションは、社員とそのパートナーのキャリア形成の支援にも力を入れています。2022年に育休・産休を取得した、男性社員の濱野さんと中谷さん、代表の神田さんも交えて、妊娠前後の働き方の変化について鼎談しました。(聞き手:GLナビゲーション 広報 黒須)【濱野さんの経歴】2020年入社、GLナビゲーションの営業マネージャー。学生時代に休学し、GLナビゲーション株式会社のサービスであるGlobalWingを利用してベトナムのITスタートアップでインターンを行う。大学卒業後、株式会社タニタの営業戦略本部海外事業部にて海外営業推進、DX化に向けたBIツール (Tableau)の導入等を行う。現在はDX領域における人材とプロジェクトの発掘、営業部の統括を担当。〔参考記事〕大手企業からベンチャーへ転職、新規営業未経験から年間3億円以上の売上を創出【中谷さんの経歴】2021年入社。GLナビゲーションのコンサルタント。大学卒業後に自動車販売会社、個人事業や事業会社でバスケットボールにおけるレッスン業を経験後、大手コンサルティングファームへ転職。現在はSalesforceコンサルタントとして活躍しながら、コンサルタントチームのリーダーとしてメンバーを牽引。妊娠前後の働き方や生活の変化――まず濱野さん。パートナーのご妊娠が判明してから、生活にどのような変化がありましたか?濱野:2022年3月に妻の妊娠が判明し、会社にすぐに相談しました。妊娠初期は特にデリケートな時期です。妻が安心して過ごせるよう、仕事以外の時間は、可能な限り家にいるようになりました。当時はまだ新型コロナウイルスも流行しており、感染リスクを考慮し、職場に相談の上、フルリモート勤務を開始させていただきました。家族の安全を守りつつ、仕事を続けることができる安心感は大きく、家族との絆を一層深める機会になりました。当時のGLナビゲーションは過去2年間で200%の成長を実現し、上場を目指すなど、企業としても重要な局面です。私自身、マネージャーの立場として、仕事において100%のパフォーマンスを発揮することは前提でした。一方、家庭も同様に重要です。仕事と家庭の両立について、特に神田さんに相談しました。最適な働き方を一緒に模索してくださり、育児休暇に加えて10日間の特別休暇の付与など、仕事と家庭生活を両立させるための支援をいただくことができました。リモートワークと家庭生活の新しいバランスに最初は戸惑いましたが、会社との密なコミュニケーションを通じて、変化の大きいタイミングを上手く乗り越えることができました。――濱野さんは営業職で基本的には出社が前提ですね。会社への伝えづらさはありませんでしたか?濱野:会社が多様性、ダイバーシティを大切にしているため、相談のしづらさは全くありませんでした。早く伝えることでサポート体制も整えていただき、メリットしかありませんでした。これを機にGLナビゲーションのロールモデル事例を私が作りたいという考えもありました。――続いて中谷さん、振り返ってみていかがですか?中谷:2022年5月に妻の第二子の妊娠が判明し、安定期に入ってから会社に報告しました。私はコンサルタント職として働いておりますが、タイミングが良いことに、4月から関わり始めたプロジェクトが週1出社のため大きな負担になりませんでした。ただ、5歳の長女が幼稚園から帰ってくるタイミングで妻が体調的に辛くなっていることが多く、妻の様子を近くで見ながら働くことができた点は非常に安心できました。これまたタイミングよく出産1ヵ月前にプロジェクトが終わり、1ヵ月間は社内業務にアサインさせていただき、10月末くらいから産休に入りました。当時は残業が発生しないように稼働管理についても会社側が配慮してくださいました。業務で関係のある営業チームの方も一緒になってサポートしていただき非常に心強かったです。プロジェクトが終わると、期間を空けずに次のプロジェクトにアサインされるのが本来の動きですが、神田さんが「中谷さんはSalesforceで社内タスクを担当できるから、社内業務を担当してもらおう」という提案を頂くことができたので安定した気持ちで仕事をさせてもらうことができました。――濱野さんは出産前後で有給を取得する形で1週間ほど休暇を取られてましたね。濱野:産休・育休を取得すると収入が減るため、有休取得を選択しました。出産前後で約1週間ほど休みました。神田:GLナビゲーションのスタンスとしては、産休・育休をフルで取得しても良いし、給与面含めて、多様な選択肢の中から濱野さんにとってベストな形を会話することができたと思っています。中谷:それは私も感じました。家庭それぞれの方針があるので、妻は「収入がなくなるから育休は最低限にしてほしい」と言われました。個人的には「もう半年ぐらい育休取りたい」と思っていたのですが(笑)濱野:今、色々な企業が育休取得のしやすさを謳っていますが、それだけが大事ではなく、個々の家庭にカスタマイズするのが重要だなと感じました。神田:産休・育休を取得するだけでなく、自分のパートナーのキャリアについても真剣に考えて欲しいと思っています。制度だけが一人歩きしないように考えることが非常に重要です。――中谷さんと濱野さんは、復帰のタイミングはどのように決めましたか?中谷:会社と相談した上で、23年1月に1ヵ月間休みを取得し、復帰後の2月は「9時-16時」の時短で復帰しました。妻は出産後、思ったよりも順調で、体への負担もそれほど大きくなかったようでした。それでも、二人の子供を育てるのは、予想以上に大変なことです。一時的に時短勤務を検討していましたが、妻とも相談した上で、3月からはフルタイムで仕事をスタートしました。実は、この復帰のタイミングは、私が参加する予定だったプロジェクトにとっても重要な時期でした。プロジェクトでは3月と4月に大きなフェーズの変わり目があり、私のフルタイムでの復帰は4月からが理想的とされていました。営業担当や神田さんとは、この点について事前にじっくりと時間をかけて話し合うことができ、会社の理解とサポートに心から感謝しています。おかげさまで、私は予定通りに仕事に復帰することができ、家庭と仕事のバランスを見つけることができました。濱野:出産したのが11月中旬で、復帰が出産3日後でした。出産から1ヵ月半はリモート勤務を継続、1月〜6月まではハイブリッド勤務、7月からフル出社といった形で段階的に働き方を調整させていただきました。神田:その年の12月の忘年会で「役員を目指したい」という発言を彼から聞いて、「段階的でいいから出社をして欲しい」「すぐ近くにいて、いつでも頼れる存在になって欲しい」とリクエストしました。それと同時に、そのために会社としてバックアップできることはすると伝えました。そういった経緯もあり導入されたのが、企業主導型ベビーシッターや支援制度です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー<GLナビゲーションの具体的な支援内容>①妊娠期間のサポート妊娠中のリモートワークや時短勤務の申請制度があります。これは男性従業員にも適用され、パートナーの妊娠をサポートするために利用できます。②出産後のサポート出産後2年間は特別休暇として10日間を追加提供。また、ハウスキーパーやベビーシッターの費用を最大25万円までサポートする制度も導入しています。この制度は男性従業員にも適用されます。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー家庭と仕事の両立に向けて、意識していること――家庭と仕事を両立するために意識していることはありますか?濱野:私と妻はそれぞれ将来のビジョンを持っており、特にキャリアに関しても明確なビジョンがあります。妻は自分の事業を持っており、その夢を諦めないための環境作りが非常に重要だと考えています。目標が高いほど、環境の変化に対して柔軟に対応することが必要で、目標を失わないように環境を整えることが求められます。以前は週末も働くことが多い生活でしたが、結婚して子供ができた今は、そのような働き方を改めています。それでも、仕事にフルコミットできる環境作りを大切にしており、妻と協力しながら、お互いのキャリアと家庭生活のバランスをとることを目指しています。パートナーのキャリアを支援し、共に成長していくことが社会的にも期待されています。特に私たち男性社員は、パートナーの職業的な夢や目標の実現を全力でサポートすることが大切です。中谷:私は家族を最優先に考えるタイプです。確かに自分の野望もありますが、家族が第一です。子供が生まれた時、妻が育児ノイローゼにならないように気をつけていて、その兆候を見逃さないように常に注意しています。GLが子育てにも仕事にもコミットしやすい理由――子育てにも仕事にもコミットしやすい環境を感じた点と会社に対して今後期待している点について伺いたいです。濱野:未知のライフイベントを通じて、多くのことに直面しました。当然、疑問や不安があるなかで、会社からの積極的な提案があったことには本当に感謝しています。たとえば、「今の濱野さんのポジションと目標を考えたら、こんな働き方もできる」といった具体的なアドバイスをもらえた環境は、非常に心強いです。加えて、働き方の変更やシッター制度など、サポート体制が徐々に充実していることも、大きな助けになっています。中谷:育休から時短勤務、そしてフル稼働への移行について、会社と早めに相談できたこと、そして私のライフスタイルの変化に合わせた仕事のアサインが偶然か必然かにうまく合致したことに非常に満足しています。自宅で効率よく仕事ができるタイプである私は、近所の人からは「家で仕事できるの?」とよく尋ねられますが、全く問題ありません。会社が私のプライベートも考慮してフルリモートで働ける選択肢を提供してくれることに感謝しています。会社のサポートは豊富であればあるほど良いと考えています。「これで十分だろう」と満足するものではなく、サポートは常にアップデートされ、増え続け、個々の状況に合わせて調整されるべきだと思っています。長野県で働いているコンサルタントのような個々人のニーズに合わせた継続的なサポートを期待しています。神田:GLナビゲーションが大切にしたいことは、個人の人生全体を尊重し、それぞれが大事にしているものを全うできるような風土を作ることです。仕事は重要なことですが、人生の全てではありません。家庭や子育てをはじめその他の活動を軽視する理由にはなりません。仕事で成果を出しながら、それぞれの人生の目的を達成してもらいたいと思っています。これは子育てに限った話ではなく、また男性にも女性にも等しく当てはまる普遍的な考え方です。趣味であれ、他のどんな活動であれ、それを続けながらも仕事に真剣に取り組むことはとても重要です。しかし、当社はただ「働きやすい」という観点を追いかけるものでもありません。会社として利益を出し、その利益を最大化するというミッションを果たしていかなければなりません。「家庭や個人の人生を大切にすることと、会社の利益を追求することは相反するものではなく、一緒に両立できることである」という風土を作りたいと思っています。これは私が特に重要視している点です。中谷:最近、育休を取得する男性が増えていますが、仕事とプライベートを完全に分けて考える傾向にありますね。でも、成果を出し続けるためには、個々人に合った環境作りと自己変化が必要です。特に成長企業においては現状維持は選択肢にありません。子育ての大変さは理解していても、個人と企業ができることを同時に進める必要があります。神田:本当にそのとおりですね。GLナビゲーションは、自己変革を非常に重視しています。将来のビジネスとしての利益を目的とした上で、サステナブルな判断が求められます。それには、個人の変化が必須です。女性もいろいろな人がいるので、一律のアプローチはできません。個々に合わせたキャリアプランを作りつつも、常に相手のアップデートを促す必要があります。そして、会社全体としての最終目標は、利益を出すことに対する合理的な意思決定です。家庭や仕事を含め、全てをうまく行える環境作りが大事です。――女性の立場として、出産するとキャリアアップが難しくなることが多いです。男性の育児参加は増えていますが、女性の家庭や育児の負担はまだ大きい。これからは、出産後も安心して職場に戻れる環境作りが重要です。性別や立場に関わらず、キャリアアップできる環境を作るために、制度をアップデートし続ける必要がありますね。