SalesforceなどのCRM(Customer Relation Management)やMarketoなどのマーケティングオートメーション(MA)ツールはマーケティングや営業で使うのが一般的ですが、営業プロセスと似ている採用プロセスにも活用することができます。GLナビゲーションは採用においてタレントプールとして活用しています。本記事ではどのような使い方をしているのかを解説します。目次採用と営業プロセスの類似点①プロセスで管理することができる営業活動をデータで管理している組織であれば、営業プロセスに沿って以下のような情報を取得するのが一般的です。・リード獲得件数・架電件数(架電率)・見込み顧客化件数(見込み顧客化率)・商談数(商談実施率)・案件化数(案件化率)・受注件数(受注率)営業と同様に、採用プロセスにおいても同じように以下のような情報を取得することができます。・応募件数・一次面談件数(面談化率)・二次面談件数(一次通過率)・最終面談件数(二次通過率)・内定数(最終面接通過率)・内定承諾件数(内定承諾率)このように、採用に至るプロセスを分解することで、どのフェーズに問題があるのかを特定することができ、改善に向けた適切な打ち手を実施するための分析環境を整える必要があります。②適切なマーケティングが必要営業活動においては、自社商材や自社のビジネスに繋がる顧客に適切にアプローチすることができなければ受注に繋がりません。そのためには良質なリード獲得が求められます。どのような広告媒体どのような経路、どのような訴求でリードを獲得するかで、後工程の案件化率や商談化率、受注率が変わります。採用活動も同様で、自社の採用要件にマッチする人物にアプローチができなければ自社で活躍する人材を採用することはできません。年齢や経歴、スキル、職種といった情報を元に、採用媒体や採用手法を適切に選択し、最適な求人票を作成する必要があります。また、複数媒体を活用する場合、投資対効果の高い媒体を把握する動きが求められます。③継続アプローチ、タイミングが重要営業活動においては、予算を使い切ってしまった、今は間に合っている、契約更新まで3ヵ月残っている……様々な理由から今すぐ受注に至らないケースがあります。当月の受注にはつながらずとも、適切なアプローチタイミングを記録しておくことで、数ヵ月後の受注に繋げることができます。採用活動も同様で、今の組織フェーズには合わなかった、あと半年後に新規事業の予定がある、当時はスキルセットが足りなかったが現状だと活躍いただけそう……等の理由から、初回コンタクトでは採用には至らずとも、月日が経過することで採用候補者になるケースも多々あります。適切に候補者のニーズを管理しておくことで、採用ニーズが生まれた際に連絡をすることができれば、採用活動の時間を短縮して採用に繋げることができます。タレントプールとは?タレントプールとは会社に応募してくれた求職者情報を残すデータベースを指します。例えば選考を辞退されてしまった方、タイミングが合わずに採用に至らなかった方、能力や人柄は良かったけど会社のフェーズが早かった方などに対して、定期的にアプローチをしていく際に活用します。タレントプールには以下のような接点を持った候補者が該当します。スキルマッチするが、タイミングが合わずに採用できなかった何かしらの情報を得て、自社に興味関心を持っている以前内定を辞退した人で自社にまた興味を持っている過去に在籍していた社員自社の説明会、セミナー等に参加した人SNS等でコンタクトがあった人タレントプールが注目される背景とは?近年タレントプールに高い関心が集まっている理由は、人材不足による人材獲得競争の激化が挙げられます。採用の難易度が高まる中、採用の新たな仕組みとしてタレントプールが注目を集めています。労働人口が年々減少しているなか、限られた労働人口から採用を行う必要があり、過去に接点を持ったことがある人対して再アプローチをする動きが求められているのです。採用におけるタレントプールの重要性営業活動におけるナーチャリングと同じように、採用活動においても定期的にタレントプールにアプローチをすることで、採用コストをかけずに優秀な人材獲得に繋がります。GLナビゲーションで採用しているIT業界やコンサル業界は人材の流動性が高いため、あるタイミングでは縁がなくとも、継続的にアプローチをしたり、コンタクトを取ったりすることで採用に繋がるケースが非常に多いです。実際、応募してから1年以上経っているような方たちの採用にも至っています。優秀な方ほどタレントプール経由で採用をすることができており、採用戦略においてタレントプールは非常に重要です。タレントプールを活用する2つのメリットタレントプールを活用する企業のメリットは、以下の2つです。1.採用コストを削減することができる候補者の適性や能力を見極めたあとに採用プロセスに進むことで、採用活動が効率化され、結果的に採用コストの削減につながります。2.潜在層の候補者にアプローチすることができる転職サイトに登録をしていないものの、将来的には採用に繋がる候補者を適切に管理することで、採用媒体等ではアプローチしづらい潜在層の採用に繋げることができます。タレントプールを活用して採用を成功させる3つのポイント1.採用要件を明確にする自社が採用したい人材がどのような人物なのかを明確にします。入社後のポジションや期待する役割、必要な経験やスキル、自社にマッチする定性的な要素といった観点を具体的に整理し、自社にとって価値のあるデータを蓄積する下地を整えましょう。2.採用データベースを構築する過去に接点があったものの入社に至らなかった人材だけでなく、自社の興味関心がある方に向けた登録窓口を設けて登録してもらう、TwitterやFacebook、LinkedInなどSNSを活用する、YOUTRUSTのようなキャリアSNSといったサービスを活用するのもひとつの手です。3.定期的に候補者と連絡をとる採用データベースを元に、定期的に候補者とコンタクトを取ります。情報交換で直接会う、メールで直近の自社活動や今後の事業展開を共有するといった形で、自社への関心度を高める活動を行います。定期的にコンタクトをすることで、転職を考えるタイミングを適切に捉えることができます。タレントプールに対する3つのアプローチ例1つ目は定期的なアポイントの依頼です。「久々に情報交換しませんか?」といった面談依頼の連絡をしながら、関係性を途絶えさせず、GLナビゲーションのことを候補者の記憶に留めてもらえるようにしています。2つ目は案件情報の共有です。弊社はコンサルティング事業を行っているので、「最近我々はこういった案件や業界を攻めています」といったプロジェクト情報の共有することが多いです。コンサルティング業界は、案件ベース、プロジェクトベースで働く希望を持っている人も多く、業務内容に魅力を感じて入社する方に対して有効なアプローチです。3つ目は会社状況の共有です。「最近こんなニュースがリリースされました、社員インタビューの記事を公開したのでよかったら見てください」というようなアプローチです。採用アプローチでMarketoやSalesforceを活用するメリットタレントプールに対するナーチャリングを行いやすいのがMarketoやSalesforceを活用するメリットです。具体的には、ナーチャリングにおけるスコアリングが活用しやすい点、ダッシュボードが活用しやすくドリルダウンもしやすい点が大きなメリットです。GLナビゲーションでは、通常の選考プロセスにおいてはATS(採用管理システム)を使用していますが、タレントプールに対するMarketoとかSalesforceのような活用は、既存のATSでは機能的に難しいのが現状です。Marketoだとセグメント別のスコアリングがかなり細かく設定できます。例えば、案件情報のメールをよく見る人なのか、会社のホームページを見ているのかといった行動を把握することができます。候補者の動向をリアルタイムでキャッチアップして、Slackにアラートを鳴らすこともできるため、効率的な採用活動をすることができます。Salesforceのダッシュボードも非常に使いやすいです。そして、従業員のキャリアアップにも繋がりやすい側面があります。労働市場では、SalesforceやMAツールを使えるメンバーの市場価値は非常に高くなっています。採用メンバーでもSalesforceやMAツールを活用できれば、その後のキャリアとしてデジタルマーケティングや営業企画などのキャリアパスを作ることに繋がります。一般的なATSを使える人材よりも、SalesforceやMarketoを使える人のほうが市場価値が上がります。まとめ:採用戦略においてタレントプールの活用は非常に重要優秀な方ほど採用に時間が掛かる傾向にあり、採用においてタレントプールの重要性は今後さらに高まるでしょう。SalesforceとMarketoを活用し、タレントプールから採用に繋げる体制を構築しましょう。